2016年 07月 15日
と、いうわけで、引き続き書いていこうと思います。 【各団体として】 「どの口が」もとい「どの手が」というところはさておき、いずれの団体も観たことのある身として、書いておこう、書かねばならないだろう、と思いまして、書く次第であります。もちろん、公演を観た時期だったり、先日の通し稽古も覗いたり覗かなかったりなのですが、好き放題言ってみようと思います。 いずれの団体も持ちうるポイントとしては、やはり「ガラパゴス進化」的な面が大きいのではないかと思います。それはつまり、あまり現在の演劇の本流とかなんたらかんたらに必ずしも乗っかってない、興味がない、あるいは~みたいな各々の理由や視点があるにせよ、けっこう独自的なんだと思います。若者的、ともまた違うのだと思います。どこか懐かしかったり、あるいは新しい感じだったり、とはいいつつ古臭かったりなど、意図的にせよ意図的でないにせよ、各団体が演劇に対しての一定のスタンス/視点を持って、作品を作っているのだと思います。それゆえに「それぞれの個性を楽しめる」ショーケースになっているのではないかなと。 あと、これは「インターネット」というよりそれ以前に「テレビゲームorテレビアニメ」の影響が大きいのではないかと思いますが、どの団体も何かしらの「潔癖性(良くも悪くも)」を持って演劇をされているのではないかなと、思ったりもしています。 〇有馬九丁目ANNEX 主宰のザキ有馬?岡崎マサフミ氏はぶれないなあと、先日の通し稽古の際に思いました。たぶん、今回の団体で一番「自負心」が強いのではないかと思います。それは、関西学生演劇界で一時代を築き、かつ現在進行形で活動していることのプライドなのでしょう。私は、それまでも含めて、そういうのは素直に「すごい」と思います。「劇団有馬九丁目」の頃は瑞々しさというか、清潔感とエンタメ、実験性が同居したスタイルだったと記憶していますが、「有馬九丁目ANNEX」ではよりダークなゲーム性が増したのではないかなと感じていました。が、先日の通しをチラッと拝見したら今回の作品は骨太愚直エンタメの予感がしました。ご自身が所属している団体でやった作品、というのもあるのでしょうが、私自身やりたいなあと思いつつそういう骨太エンタメを作る気にならない(あるいは作れない)のですが、こういう短編イベントにストレートプレイを持ってくること自体、やはり「自負心」の表れなのだろうなと素直に思い、楽しみにしています。 〇箱庭計画 主宰の栃木ゆーじ氏の脚本への信頼がとかく強い団体なのだなと、以前の公演を拝見した時に思いました。で、栃木ゆーじ君の作品は「ゲーム性」が強いなと、しみじみ思いました。ここでの「ゲーム性」とは、すなわち「ロールプレイングゲーム」とほぼ同意です。で、それすなわち「箱庭」なのかと感じたりしてました。舞台作品というよりかは、ゲーム的世界観の具現化なのかなという面もありつつ、しかしながら「エンタメ作品」とは違う空気感、こじんまり感があるよなあ、と。そういう意味でもやはり「箱庭」なのです。あたたかさというか、やさしさ、というか。その「箱庭」感を味わうのが箱庭計画の作品の楽しみ方なのかなと思います。つまるところ、栃木ゆーじ氏と面会するというか、彼の世界感と「対面」するのが、「箱庭計画」なのでしょう。あと、「(のれん)ことね」というプリプリとした看板女優がいるのは、やはり強いよなあと思います。 〇Contondo 今回のKING OF 潔癖。その候補の一人が、紺野ぶどう氏なのかなと思います。彼の演出を受けたり、作品を観たり観られたり、自作を演出してもらったりとすっかり縁の深い彼なのですが、紺野ぶどう氏の演劇に対する徹底したスタンス、そのゴム手袋をはめて触れるような作品との関わり方は時には合理的で、時には言うてそうでもない、というところが、これまたContondoの面白いところなのだろうなあと思ったりしています(言葉の使い方にだいぶ語弊があるやもしれませんが)。そう、潔癖でありながらも潔癖でないというか、「ああ、結局のところ演劇が素直に大好きなんだろうなこの人」と思わせる節々を、たぶんこれまた意識的にも無意識的にも匂わせるのが、紺野ぶどうの人間性であり、その行動力の源であり、演出スタンスなのだろうな、と。で、今回は土江優理さんの一人芝居ですが、Contondoを構成する人々は基本的に「演劇が純粋に大好き」な人々なので、その「言うてもなまっすぐさ」は今回の作品にも随所に現れるのではないかなと、感じております。 つづきます。 ***** 2016年7月17日~18日 Qbic!!社会人劇団短編上演フェスティバル参加作品『karaoke』 出演:司城大輔、雀野ちゅん、繁澤邦明(以上、劇団うんこなまず)、森岡拓磨、奈津川栞奈(以上、劇団冷凍うさぎ)、下野佑樹、水野聡美、まつなが @in→dependent theatre 1st 概要http://actfesqbic.web.fc2.com/ 予約https://www.quartet-online.net/ticket/qbic
by unkonamazu
| 2016-07-15 12:58
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2010年3月 うんこけらおとし公演 『もののけ姫』 at 大阪大学学生会館二階大集会室 2011年10月 せかんどうんぱくと公演 『さだだだ。』 at ロクソドンタブラック 2012年1月 三本のうん公演 『いぬのさんぽ』 at 一心寺シアター倶楽 2013年1月 May the 4th unko with you うん公演 『明日放る』 at AManTo天然芸術研究所 2013年7月 unKoの限り業5Go!公演 『ラブなま』 at 梅田カラビンカ 2013年11月 赤子vsTEAM井上大輔 『tango@はじめて』 at かつおの遊び場 2014年3月 Unko-Ga-Muri6ri公演 『tango@bye-bye』 at CafeSlowOsaka 2014年8月 ☆seven colors rainbounko☆ 『としくんとリボルバー』 at OVAL THEATER 2015年3月 unkonamazu 8th 『fly me to the xxx.』 at B:SQUARE 2015年12月 unkonamazu 09 『フォアグラ』 at イロリムラプチホール 2016年2月 大大阪舞台博覧会 『タンバリンが赤い』 at 芸術創造館 2016年7月 Qbic!!社会人劇団短編上演フェスティバル 『karaoke』 at in→dependent theatre 1st @unkonamazu
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