うんこなまずの巣

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2016年 07月 16日

心臓と膀胱を繋がれて、文字通り死ぬまで我慢する男(中編)

前編 http://unkonamazu.exblog.jp/23635961

「 気がついたようじゃな」

老人の声で目が覚めた。長い間寝ていたような気がする。
僕は、確か、コンビニまであと少しのところで…

「小便を漏らした」
「…そうだ」

そうだ。僕は失禁したのだ。
己が不摂生。逃した幾つものチャンス。追い打ちの500mlファンタ。(決壊の刹那、僕には祝いの葡萄酒に見えていた)
完全な自己責任だが、僕は、喉から血の味がするまで走った。しかし間に合わなかった。
僕は失禁したのだ。コンビニの手前で。公衆の面前で。

「お前は小便を漏らしたのだ。そして死んだ」
「死んだ…?」
「死んだ。成人男子は人前で漏らすと死ぬ」

この老人の言っていることは無茶苦茶だ。
だが、周囲には誰もいない。壁は透けるように白い。
そして、僕のパンツは乾いていた。
本当に僕は死んだのかもしれない。

「本当に情けない死に方よの。世界では紛争や飢餓で数多の人が亡くなっているというのに」
「ぐうの音も小便も出ない。本当に僕は死んだのか?」
「死んだ。だが、厳密にはまだ本当に死んではいない」

老人は続けた。

「通常、お前のようなことをしたやつがいたら、天から見つけたワシが、小便を超強力な酸に変えて、その人間を跡形もなく溶かしてやっている」
「そうなのか。では俺も…」
「お前もそうしてやろうと思ったが、ちょうどワシは食事中で、あんまり酸で溶けたりとかはグロいので、お前をそのまま天国に持ってきてやったわけじゃ」
「ここは天国なのか」
「いかにも。そして、お前には、酸で溶けるよりももっと酷い罰を施した」
「俺の体になにかしたのか」

老人はニタニタ笑いながら、こう言った。

「心臓と膀胱を繋いだ」
「なっ」
「お前の血液は普段は血管を流れるが、一度尿意を催したが最後、弁が開いて尿管へ流れこんでいき、お前は血尿を垂れ流しながら死ぬ」

急すぎる死刑宣告。
これからどうやって生きていけばいいんだ。いや、そもそも生きているのか?
何が目的なんだ、このクソジジイ。そもそも何者なんだ。
僕はパニックに陥っていた。拳を握りしめ、目の前の処刑人を睨んだ。

「まあ落ち着け、コーヒーでも飲め」
「いるかっ!!」

老人の差し出してきたコーヒーカップを払いのけ、陶器の割れる音を聞いた。
床が染まっていく。

「あーあー、折角楽に死なせてやろうとしたのに。床が汚れたじゃないか。せっかくの白い床が。ここでは漏らすなよ」
「どこに行けって言うんだよ」
「ここ以外のどこかじゃ」

突如、腹を蹴り飛ばされる。
気づけば部屋はなく、空中。
真っ逆さまに落ちていく。

「グッドラック!幸運、漏らすなよ!」

うんこみたいに言うな。
僕は訳もわからぬ中、腹部に力を入れながら落ちていった。

by unkonamazu | 2016-07-16 12:56 | Comments(0)


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