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うんこなまずの巣

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2010年 02月 25日

ジブリ語り代筆 「魔女の宅急便」

こんばんは、。久しぶりの更新高田です。

いよいよ明日からは仕込みです。
今日は衣装も着ての稽古。あぁ、めんどくさい衣装だ。
うんこなまずもののけ姫もいよいよといったところ、是非来週は大阪大学にお越しください。

さて、長らく書いていなかった魔女の宅急便のレビュー。
なぜかというとね、僕には書けないんだわ。

なぜかと言いますと…


僕ぁ女の子じゃないのよ



そうさ、wordに2ページ分ぐらい書いたんですよ自分で。
でもね、何かが違うんだ。魔女宅のレビューじゃないんだ。何かが足りなかったんだ。

それはね、女の子目線というやつです。
女の子目線が足りないんですよ!
魔女宅っていうのは思春期の女の子が物語。
そうなんだ…僕は男の子なんだ…。
思春期の女の子の微妙な心情なんて俺にはレビューできんのですわ。

そう思って途方に暮れていたところ、僕の携帯にある連絡が入りました。



「早く魔女宅をレビューせんかい」


何故あなたがブログを見ている…


「なれば私がレビューしてやろう」


確かにあなたは女だ。しかしそんな…


「忘れたか…一年前の次回をお楽しみにで更新をストップした某ブログを」
  

…それを言われると僕は何も言えない。そうだ…。確かに去年の公演のブログではしまじろうさんを紹介するといいながら紹介せずじまいだった。このままでは、このままでは、魔女宅をレビューできずに終わってしまう。
それでいいのか?それでいいのか俺は?


「ここでやめてしまえばお前はジブリオタクの風上にもおけぬ。ラピュタのちびのマッジに家から追い出される黒豚のようなものだ」





「これを授けよう」




『魔女の宅急便』 1989年公開 





魔女の宅急便は黒猫を連れホウキに乗った普通の13歳の女の子が,海の見える素敵な街で生きていく日常を描いた,ただそれだけの物語である.世間に揉まれながらも少しずつ成長していくキキのトキメキや喜びや涙に共感し,あるいは少女時代のみずみずしく切ない気持ちを思い出して懐かしさに浸るための映画だ.多くの人の共感を呼ぶ魅力的な女の子を描くことこそがこういった映画の根幹だと思うのだが,その点で宮崎監督は完璧すぎる成功を収めている.

思えばナウシカ以来,監督は「少女」を描き続けてきたわけだが,少女というリアルな生き物に対して彼がいかに強い魅力を感じ,観察し,その内面と外面を描き切ってやろうという気概を持って映画づくりに挑んでいるかをこれ程感じさせる作品は無い.語弊を恐れず言うなら,監督自身の「少女萌え」を昇華させることを第一義とした映画のようにさえ思えるのだ.
もちろん,もはやお馴染みの記号たちはほとんど一切と言っていい程出てこない.ヒロインの衣装はひらひらフリルのついたミニスカートでもニーソックスでもなく,地味なまっ黒のワンピースだけ.幼児体型に不釣り合いな胸のふくらみも,涙をうかべる上目づかいの目も無い.アイテムと言ったら時折のぞく白いカボチャぱんつくらいだ.(余談だが,黒いワンピースの下に白い足とその上のふんわりしたカボチャぱんつが見えた時私はいつも実に背徳的なバツの悪い気持ちになってしまう.)
だが紺色のワンピースに映える白い肌,柔らかそうで赤みの差した頬と細い首,生き生きと光る勝気な黒い瞳,くるくる変わる表情,朗らかで媚のない高山みなみの笑い声の魅力といったらない.飾るものといえば頭の大きな赤いリボンだけだが,逆におしゃれへの強い憧れを感じさせる.着飾りすぎないこの格好こそが思春期にさしかかったばかりの未完成の少女らしさを表していると言えよう.

少女を見る宮崎監督の視線は偏執的でさえある.
外見に関してもさることながら,驚愕すべきは内面の描写だ.性格,価値観,周りの大人たちや同世代の子との関係性など,おじさんのくせに一体どうやったらこんなに少女らしい少女の気持ちを理解し再現することができるのかと舌を巻く.
ショーウィンドウを見つめる目,父親と母親に対する振る舞い方の違い,自分を描いた絵を見たときの反応など,挙げればきりがない.特にトンボやその友達を拒絶するときの仕草や表情は,劣等感や恥じらいがないまぜになった女子特有の気持ちをこれ以上無くリアルに表現している.アニメを描く表現力以上に,徹底的な観察が無くてはこんな表現はできない.


ファンタジー巨編から幼女モノまで守備範囲の広さを誇る宮崎監督だが,魔女宅は宮崎監督自身の少女観を余すことなく詰め込んだ渾身の萌えアニメなのである.もちろんきっちりと普遍的なドラマ性を盛り込んでいるからこそ,世間では少女の自立と成長の過程を描いた心温まる物語と評され,幅広い層に支持されていることは言うまでもない.のみならず,徹底的にリアルに思春期の少女の世界を描くことで,(男性目線の独りよがりに陥るのが萌えアニメの常にも関わらず,)女性の共感を呼び,女性にこそ支持される作品になっている.
男性に向けた少女賛美を萌えアニメと称するなら魔女宅は萌えアニメの限りではない.
完璧な観察の末,少女自身の視線を身に付けた宮崎監督流の少女賛美=宮崎流萌えアニメなのである.



                                          特別執筆 高田家長女



ねぇ?
これが本当の身内ネタです。
家族ぐるみのジブリ好きなのです。

女性の目線にたったレビューとは思えん。ただの変態じゃないか?

そんな感じで、魔女宅は宮崎駿の少女観が如実に表現された作品です。
それを男でありながらここまで事細かく表現できる宮崎駿は天才であり変態ですね。ということです。

僕にはこれ以上は魔女宅を語れん。まだ紅の豚のほうが語れる。



というわけで次回は紅の豚!絶対レビューする!意地でもレビューする!
とりあえずは紅までレビューできれば次はもののけですのでそこで終わりですかね?



続くぅ!

by unkonamazu | 2010-02-25 23:05


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