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うんこなまずの巣

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2010年 02月 01日

ジブリ語り2…「天空の城ラピュタ」

こんばんは。テスト勉強ははかどっていますか?

ちゃうかムフー4回生の方々、卒公お疲れ様でした。
入学当初のちゃうかを思わせる芝居で、少し懐かしく感じました。知る人ぞ知るプレマジと何か同じものを感じましたね。設定先行型といいますか。
4回生の安定した演技はさすがでした。とても笑わせていただきました。

というわけで、明日から2月。
役者もみなフリーとなり、ついにうんこなまずは過酷なデスマーチに突入します。
しかも前半にはテスト同伴ときた。
君は生き残ることができるか?

脚本改訂も無事着々と進んでおります。
衣装についてもデザインが決定し、水曜日には衣装買い出しが行われます。
今回舞台はほとんど皆無ですので、イコンとなるべきものは衣装と役者の演技のみ。
衣装にもクオリティが望まれます。がんばってみんなで作って行きましょう。


さて、前回長々とナウシカについてオタトークしていましたが、今日は宮崎駿作品記念すべき二作目。ジブリができてから初の長編映画、僕たちの年齢層には最も高い人気を誇る(高田調べ)「天空の城ラピュタ」です。


「天空の城ラピュタ」1986公開 監督:宮崎駿


ジブリ語り2…「天空の城ラピュタ」_c0227806_0411992.jpg


はい、暗記していた作品です。
確かに僕もナウシカよりトトロより見ていたかもしれません。
内容は王道エンタメ。ボーイミーツガールを地の地で行ってる作品ですね。
数ある物語でも、ここまで美しくボーイミーツガールしているのはそうそうないってくらいです。
俗にいう「落ち物系ヒロイン」の語源はここからきているはず。

「落ち物系ヒロイン」というのは、辻本照明制作チーフの方が詳しいでしょうが、どういうものかといいますと、何も変わらない日常を過ごしていた(何か夢を持っていたりする)主人公(男)が、ある時突然現れた女の子(大抵敵に狙われていたり、何かすごい能力を持っている)と出会って、ドキドキワクワクの事件に巻き込まれていくという話の展開です。
みなさんも何か知っているでしょ?そういう話。1つや2つじゃないはずです。
少年漫画なんてしょっちゅうそんな話が出てきます。最近は奇をてらって男女逆転系の話も多くなっているでしょう。
例は、後でコメント欄にアズボーが書いてくれるはず。
ブログにコメントがあるとうれしいので、みんなも思いついた「落ち物系ヒロイン」を挙げていってください。

そんな落ち物系ヒロインの先駆者であり、その頂点に君臨するオサゲ少女シータですが、結構普通人。ナウシカみたいに化け物じゃない。
ただ設定だけはかなりいっちゃってます。先祖は空に島を浮かべたラピュタ人の王で、なんかよくわからなくて長い名前を持っていたりします。
そしてオカンからいろんな呪文を聞いています。きっとシータがその気になったらラピュタで世界を滅ぼせたんでしょうね。いい子で良かった。

そしてジブリ作品としては本当に唯一の絶対悪の、みんな大好きムスカ大佐。考えてみたら、本当に悪人ってジブリの中じゃあこの人くらい。
そのくせネット上ではネタにされまくってジブリ一の愛されキャラです。
だから今回はムスカについてはあんまり語りません。今ムスカの中の人は仮面ライダーWのラスボス役で出ているそうです。

ここで一つムスカの小ネタ
シータの名前は「ルシータ・トゥエル・ウル・ラピュタ」
この名前をムスカは、「ウル」は王、「トゥエル」は真と言っています。
この「トゥエル」はきっと英語の[true]から取っているのでしょう。
そしてムスカの名前は「ノムスカ・パロ・ウル・ラピュタ」
シータと何が違うかといえば、「パロ」の部分ですね。
ならこの「パロ」は何を意味するのか?あくまで僕(高田家)の仮説ですが、「パロ」は「parody」から取っているのではないか?「parody」は模倣とかそういった意味で、つまりは偽物。
つまり、ムスカは「偽の王」なのではないかという。そんな話。
だからこそ王族が持っていた飛行石をムスカは持っておらず、結果ラピュタの制御のためにシータが必要だったのでは?というね。


みんなムスカムスカとムスカが大好きなようですが、僕はこの物語でどのキャラが最も魅力的かと言われれば、ドーラと即答します。
初め悪役かと思えば、実は情に熱い女海賊で、軍に追われる二人を憎まれ口をたたきながらも助けてしまうという、宮崎駿の大好きな「ツンデレババア」のこちらも先駆け。(というか宮崎作品のばぁちゃんは基本ツンデレ。湯バァバとかね)
「ラピュタ」が他の落ち物系ヒロインな話と一線を画しているのは、ドーラとその息子たちという魅力的な脇役がいるからです。
初めは明らかな悪役として登場。顔もどう見ても悪人面。なのにドーラ一家はみんなどこか抜けていて、最初こそは海賊らしく海賊ってましたが、だんだんギャグの要素が強くなっていく。というかギャグ要因。宮崎作品じゃあ「紅の豚」にしか出てこないようなギャグ要員(そういえば豚でもギャグをしていたのは海賊だったな)
ありきたりな物語をテンポよく進め、話を引き締めるための重要なファクター。脚本書いている人たちが(学生劇団の話)いつも見落とすのが、ギャグな人たちこそが話を引き締め、そして上手く転がすように物語を支えていくということ。ただギャグをやるだけではなく、それがどう物語にかかわっていくのかというね。自分で書いてて頭が痛い。
一度、ドーラ一家に焦点を当てて作品を見てください。物語を進めるのは、ムスカでもパズーシータでもなく、間違いなくドーラ。


でも実はこのラピュタ、宮崎駿がテレビ作品として作っていた「未来少年コナン」や、映画「カリオストロの城」と話の構成はそっくり。宮崎駿にしろ他の作家にしろ、やはり作品の系統がにかよると、話にも得意なパターンがあるようで。
しかし、ナウシカのような壮大なテーマの暗めの話を作ったかと思えば、ラピュタのようなエンタメ。そしてトトロのようなハートウォーミングな物語まで書けてしまうのは、やっぱり宮崎駿の天才たる所以でしょうか。

ここで宮崎作品の系統を分別してみましょう

・壮大な物語(重め)…ナウシカ、もののけ姫
・エンタメ     …ラピュタ・ハウル
・ハートウィーミング…トトロ・魔女の宅急便・千と千尋の神隠し
・趣味全開     …豚(ミリオタ)、ポニョ(ロリコン)

趣味全開のところは、まぁあれですよ。しゃあない。変態と天才は紙一重っていうあれですきっと。
ハウルと千はエンタメとハートウォーミングの中間を行っている気がしますが。
この中でも長編も長編はもののけ姫とラピュタ。どちらも二時間越えの超大作です。

そして宮崎作品には決まっておいしそうな食べ物が登場します。
中でも、ドーラが食べているハムと、シータとパズーが半分こして食べた目玉焼きはジブリの中で最もおいしそうな食べ物です。
半分子目玉焼きトーストは、実際よく食べますけど。目玉焼きを乗せる皿が必要なくなって非常に便利です。そして最後は黄身だけ残して食べます。おいしいです。


さて、ナウシカやもののけに比べ、話も簡潔でテンポもよく、王道を行くアニメ「天空の城ラピュタ」。勿論、その要素も多分に「もののけ姫」は持っています。「もののけ姫」もボーイミーツガールですしね。結構キュンキュンな。
しかし、もののけやナウシカとラピュタは、宮崎駿の中では対極の位置にある作品なのではないでしょうか?もしくは、宮崎駿の持っている世界観を、できるだけそのまま、カオスな状態で描き出したのがもののけ、突き詰めてその世界観の重要な要素だけを抽出して、単一テーマのもと描いたのがラピュタ(言ってしまえば、もののけは宮崎駿にとってのリアルで、ラピュタはリアルではない)のような気がします。
人間賛歌であることはラピュタもナウシカももののけも同じですので。
こういった違いについても考えていくと、ジブリはもっとおもしろくなるかも。


さぁ、また長々と書いてしまったぞ。
しかし今回はいまいちもののけにはからませ辛かった…。
次回はやるとしたら「となりのトトロ」を語ります。

では!

by unkonamazu | 2010-02-01 00:43 | 日々


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